二十四節季と七十二候の意味と由来とそれぞれの読み方と意味の一覧

こんにちは、桃花です。

みなさんは、二十四節季という言葉をご存知でしょうか。

昨日、秋分の日の説明に使った言葉です。

二十四節季という言葉は知らなくても、立春、春分、夏至、立秋、秋分、冬至などの言葉はご存知の方が多いかと思います。

今日は、こうした季節の言葉である二十四節季のとあまり聞き慣れないですが七十二候の意味と由来などについてまとめてみました。

　　

二十四節季の意味と由来は？

二十四節季は、中国の戦国時代に、1年を春夏秋冬に分け、さらにそれを24に区分したことに由来します。

元々、中国の黄河中下流域の季節を元にしているので、日本の気候に合わない部分もあります。

立秋を過ぎると、暑中見舞いではなく残暑見舞いとなりますが、実際には立秋の時期は一番暑くてたまりません。

この暑いのに、暑中じゃなくて残暑見舞いなんですか？

といつも不思議でなりませんでしたが、中国由来のものだと知って納得しました。

二十四節季が生まれた背景には、太陰暦の不便さがありました。

季節は太陽の動きで決まるのですが、太陰暦は月の動きで決まっているので、暦と実際の季節にずれが生じます。

このため、実際の季節にあった何かが必要だと考えられて、二十四節季が作られました。

二十四節季は最初から24あったのではなく、徐々に作られていきました。

初期に決まったものは、観察しやすい二至(夏至と冬至)と、二分(春分と秋分)でした。

古代中国人は、一年を春(1、2、3月)、夏(4、5、6月)、秋(7、8、9月)、冬(10、11、12月)に分けました。

最初は、冬至の日が年始とされていました。

が、戦国時代に冬至の翌々月を年始とするようになりました。

このことにより、冬至と春分の中間地点を正月、つまり春の始めの立春としました。

立春が決まったことで、他の季節の立夏、立秋、立冬ができました。

二十四節季という名前は、前漢時代に使われるようになりました。

二至、二分、と立春、立夏、立秋、立冬の8節を、それぞれさらに3分割しました。

七十二候の意味と由来は？

古代中国で考案された季節を表す方法のひとつで、二十四節気をさらに約5日ずつの3つに分けた期間のことをいいます。

二十四節季が古代中国のものをそのまま使用しているのに対して、七十二候は日本独自に変化しています。

それぞれの詳しい意味は、次の章にあります。

二十四節季と七十二候の読み方と意味

春

・立春(りっしゅん)-旧暦の1年のはじまり

東風解凍(こちこおりをとく)-東風が厚い氷を解かし始める

黄鶯睍睆(うぐいすなく)-鶯が山里で鳴き始める

魚上氷(うおこおりをはいずる)-割れた氷の間から魚が飛び出る

・雨水(うすい)-冬の間に積もった雪や氷が解けて、雪が雨になる

土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)-雨が降って土が湿り気を含む

霞始靆(かすみはじめてたなびく)-霞がたなびき始める

草木萌動(そうもくめばえいずる)-草木が芽吹き始める

・啓蟄(けいちつ)-冬眠していた虫が出てくる

蟄虫啓戸（すごもりむしとをひらく)-冬籠りの虫が出て来る

桃始笑（ももはじめてさく)-桃の花が咲き始める

菜虫化蝶（なむしちょうとなる)-青虫が羽化して紋白蝶になる

・春分(しゅんぶん)-昼と夜の長さが同じになる日で、この日を境に昼が長くなっていく

雀始巣（すずめはじめてすくう)-雀が巣を構え始める

桜始開（さくらはじめてひらく）- 桜の花が咲き始める

雷乃発声（かみなりすなわちこえをはっす）-遠くで雷の音がし始める

・清明(せいめい)-全てが明るく清らかである

玄鳥至（つばめきたる）-燕が南からやって来る

鴻雁北（こうがんきたへかえる）-雁が北へ渡って行く

虹始見（にじはじめてあらわる）-雨の後に虹が出始める

・穀雨(こくう)-春の恵みの雨

葭始生（あしはじめてしょうず）-葦が芽を吹き始める

霜止出苗（しもやんでなえいづる）-霜が終り稲の苗が生長する

牡丹華（ぼたんはなさく）-牡丹の花が咲く

夏

・立夏(りっか)-夏のはじまり

蛙始鳴（かわずはじめてなく）-蛙が鳴き始める

蚯蚓出（みみずいづる）-みみずが地上に這出る

竹笋生（たけのこしょうず）-筍が生えてくる

・小満(しょうまん)-全てが成長し始める

蚕起食桑（かいこおきてくわをはむ）-蚕が桑を盛んに食べ始める

紅花栄（べにばなさかう）-紅花が盛んに咲く

麦秋至（むぎのときいたる）-麦が熟し麦秋となる

・芒種(ぼうしゅ)-芒(のぎ、イネ科植物の果実を含むエイ、稲でいうもみ殻のような突起をもった植物)の種を蒔くころ

螳螂生（かまきりしょうず）-螳螂が生まれ出る

腐草為蛍（くされたるくさほたるとなる）- 腐った草が蒸れ蛍になる

梅子黄（うめのみきばむ）-梅の実が黄ばんで熟す

・夏至(げし)-1年で一番昼が長い日

乃東枯（なつかれくさかるる）-ウツボグサが枯れる

菖蒲華（あやめはなさく）-あやめの花が咲く

半夏生（はんげしょうず）-カラスビシャクが生える

・小暑(しょうしょ)-暑さが本格的になるころ

温風至（あつかぜいたる）-暖い風が吹いて来る

蓮始開（はすはじめてひらく）-蓮の花が開き始める

鷹乃学習（たかすなわちわざをなす）-鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える

・大暑(たいしょ)-一年で最も暑いころ

桐始結花（きりはじめてはなをむすぶ）-桐の実が生り始める

土潤溽暑（つちうるおうてむしあつし）-土が湿って蒸暑くなる

大雨時行（たいうときどきにふる）-時として大雨が降る

秋

・立秋(りっしゅう)-秋のはじまり

涼風至（すづかぜいたる）-涼しい風が立ち始める

寒蝉鳴（ひぐらしなく）-ヒグラシが鳴き始める

蒙霧升降（ふかききりまとう）-深い霧が立ち込める

・処暑(しょしょ)-暑さがやわらぐころ

綿柎開（わたのはなしべひらく）-綿を包む萼（がく）が開く

天地始粛（てんちはじめてさむし）-ようやく暑さが鎮まる

禾乃登（こくものすなわちみのる）-稲が実る

・白露(はくろ)-空気が冷えてきて露ができ始めるころ　

草露白（くさのつゆしろし）-草に降りた露が白く光る

鶺鴒鳴（せきれいなく）-セキレイが鳴き始める

玄鳥去（つばめさる）-燕が南へ帰って行く　

・秋分(しゅうぶん)-昼と夜の長さが同じになる日で、この日を境に夜が長くなっていく

雷乃収声（かみなりすなわちこえをおさむ)-雷が鳴り響かなくなる

蟄虫坏戸（むしかくれてとをふさぐ）-虫が土中に掘った穴をふさぐ

水始涸（みずはじめてかる）-田畑の水を干し始める

・甘露(かんろ)-草花に冷たい露が宿るころ

鴻雁来（こうがんきたる）-雁が飛来し始める

菊花開（きくのはなひらく）-菊の花が咲く

蟋蟀在戸（きりぎりすとにあり）-キリギリスが戸の辺りで鳴く

・霜降(そうこう)-草花に冷たい霜が降りるころ

霜始降（しもはじめてふる）-霜が降り始める

霎時施（こさめときどきふる）-小雨がしとしと降る

楓蔦黄（もみじつたきばむ）-もみじや蔦が黄葉する

冬

・立冬(りっとう)-冬のはじまり

山茶始開（つばきはじめてひらく）-サザンカが咲き始める

地始凍（ちはじめてこおる）-大地が凍り始める

金盞香（きんせんかさく）-水仙の花が咲く

・小雪(しょうせつ)-雪がそれほどまでないころ

虹蔵不見（にじかくれてみえず）-虹を見かけなくなる

朔風払葉（きたかぜこのはをはらう）-北風が木の葉を払い除ける

橘始黄（たちばなはじめてきばむ）-橘の実が黄色くなり始める

・大雪(たいせつ)-雪が多くなってくるころ

閉塞成冬（そらさむくふゆとなる）-天地の気が塞がって冬となる

熊蟄穴（くまあなにこもる）-熊が冬眠のために穴に隠れる

鱖魚群（さけのうおむらがる）-鮭が群がり川を上る

・冬至(とうじ)-一年で一番夜が長い日

乃東生（なつかれくさしょうず）-夏枯草が芽を出す

麋角解（おおしかのつのおつる）-大鹿が角を落とす

雪下出麦（ゆきわたりてむぎいづる）-雪の下で麦が芽を出す

・小寒(しょうかん)-寒気が強くなる寒の入り

芹乃栄（せりすなわちさかう）-芹がよく生育する

水泉動（しみずあたたかをふくむ）-地中で凍った泉が動き始める

雉始雊（きじはじめてなく）-雄のキジが鳴き始める　

・大寒(だいかん)-一年で最も寒いころ

款冬華（ふきのはなさく）-蕗の薹（ふきのとう）が蕾を出す

水沢腹堅（さわみずこおりつめる）-沢に氷が厚く張りつめる

鶏始乳（にわとりはじめてとやにつく）-鶏が卵を産み始める

二十四節季と七十二候の意味と由来とそれぞれの読み方と意味の一覧まとめ

二十四節季は、太陰暦の頃に、実際の季節と暦のずれを解消するために考え出されました。

古代中国からのものをそのまま使っているので、日本の四季とは少しずれがあります。

七十二候は、二十四節季をそれぞれ約5日ずつに区切ったものです。

七十二候は、日本独自に変化してきました。

忘れ去られがちな季節の言葉ですが、これからも大切にしたいですね。

おしまい