私はDV被害に遭って、公設のシェルターに2週間、民間のシェルターに2週間いました。
シェルターは一時避難場所なので、公設の場合はおおむね2週間(長期の人もいました)で出なくてはなりません。
では、どうしたら出ることができるのでしょうか。
シェルターを出るためにしなくてはならないことについて、まとめてみました。
DVシェルターから出るにはどうしたらいい:お金がない場合
DVシェルターから出るためには、まず住む場所の確保が絶対に必要です。
このため、シェルターにいる間に、部屋を探すことになります。
しかし、お金を持ち出せなかった場合は、普通に部屋を借りることができません。
このため、18歳未満の子どもさんがいれば、ひとまずは「母子生活支援施設」というところに移る方法があります。
以前は、「母子寮」と呼ばれていて、こちらの名称をご存知の方もいるかもしれません。
「母子生活支援施設」は、児童福祉法にもとづいて設置運営されています。
<児童福祉法第38条>
母子生活支援施設は、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。
とあり、DV被害で逃げた場合にも、施設に入所できます。
「母子生活支援施設」の歴史
児童福祉法第38条が制定されたのは、1947(昭和22)のことです。
それから、1998(平成10)年の児童福祉法改正により、名称が「母子寮」から、「母子生活支援施設」へと変わり、
目的も、「保護」から、「自立の支援」へと変わりました。
母子生活支援施設入所の理由
夫の暴力が、一番の理由で、約半数を占めています。
母子支援施設での生活
母子ごとに、独立した部屋があります。
施設からは、仕事や学校に通うことができます。
シェルターからは、仕事にも学校にも通えないので、母子生活支援施設の自由度は高いです。
部屋は、6畳一間(簡易キッチンと共同風呂)から、2LDKなど、施設によってさまざまです。
支援相談員、少年指導員、保育士、調理師、嘱託医が24時間常駐しています。
母子生活支援施設の入所期間に制限はありません。
1年未満で出る人は30%以上、3年以内に出る人が60%です。
利用の費用は、納めている住民税によって異なり、住民税非課税世帯や生活保護の場合は無料です。
居室内の水光熱費の負担はあります。
母子生活支援施設以外の選択肢
18歳未満の子どもがいない場合や、母子生活支援施設との条件が合わない場合などは、自分で部屋を借りることになります。
手持ちのお金がない場合は、ただちに生活保護の申請をします。
母子生活支援施設に入所する場合も、DV被害から逃げるために仕事を辞め収入がない場合などは、生活保護を申請します。
生活保護の申請や、部屋探しは、基本的には自分でやらないといけないのですが、役所の担当者の方が手伝ってくれます。
部屋探しの場合は、内見や契約時に同行もしてもらえます。
実家に帰る、知り合いの家に世話になるという選択肢もあります。
が、この場合は居所がすぐにばれてしまいます。
居所を隠したい場合は、自分で部屋を借りるしかないです。
部屋を借りるのは、仕事をしていないと本当に大変でした。
紹介してもらえる部屋が殆どなくて、選びようがなかったです。
それでも、弟が保証人になってくれたおかげで、今の部屋を借りることができました。
保証人がどうしても見つからない場合は、保証会社を使うことになります。
DVシェルターから出るにはどうしたらいい:お金がある場合
手持ちのお金がある程度ある場合は、すぐには生活保護にはなりません。
仕事が見つからなくて、生活に困った場合に、生活保護の申請をすることになります。
手元にまとまったお金があれば、部屋を探す時に、URという選択肢もあります。
URですと、保証人が不要という点が魅力です。
ただし、家賃の4倍の所得が必要です。
もしくは、敷金(家賃2か月分)と、12か月分の家賃の前払いという形でも入居できます。
でも、そうすると100万円位必要で、よほどまとまったお金を用意できないと難しいです。
ただ、私がお世話になったシェルターでは、URへ入居された方も多いと聞きました。
いったん、母子生活支援施設へ入所して、財産分与をしてもらった後にURに入居する方法もあります。
私の場合は若干のお金があったので、いったん公設のシュエルター出てから部屋を探しました。
でも、公設シュエルターにいる間に部屋を探せばよかったと思います。
公設シュエルターを出てから、ホテルや弟の家や、民間のシュエルターなどを泊まり歩きました。
弟の家は、当初泊ってもいいと言われていたのより、短い期間しかいられませんでした。
私がお世話になった民間のシェルターは、泊れる期限がしっかり決まってました。
どうしてもといえば、期間を延ばしてもらえたかもしれませんが。
それで明日の宿はあるんだろうか?
と、ずっと不安でした。
その他にシュエルターにいる間にできること
弁護士を探すサポートが受けられました。
私も、役所の人に同行してもらって、弁護士を探しました。
実際に、弁護士との面談にも、役所の方が付き添ってくださいました。
弁護士は、お金がない場合は、法テラスという事務所を利用すると、安くすみますし分割払いに対応してもらえるようです。
DV被害に遭ったら仕事や学校を変えないといけない?
DV被害から逃げるためには、仕事や学校を変わらないといけない場合は多いです。
職場は知られているので、自宅を突きとめられてしまう可能性が高いです。
中には、追跡を恐れて、わざわざ遠方に住むことを選択される方もいるようです。
今までずっと頑張ってきた仕事がある場合にも、仕事を変わらないといけないかもしれない。
理不尽です。
変わらない選択肢もありますが、この場合は、自宅を知られる可能性が高い点は注意が必要かと思います。
今までの仕事を続けるかどうかは、シェルター併設の相談所でよく相談してください。
子どもさんの学校も同じことなので、こちらも相談が必要です。
新しい住所も、知られないために、共通の知人や友人には言えません。
共通でなくても、言うと、どこからバレるかわからないので、結局は言えません。
私の場合は、弟にしか住所を知りません。
今までの人間関係が、全て無くなります。
今はメールやLINEなどがあるので、全く連絡が取れないわけではないですが、住所のことは隠さないといけないので、なんでも話すというのはできないです。
SNSをやっている人は、注意が必要です。
警察の方に言われたんですが、SNSで住所がバレてしまう場合もあるそうです。
今、年賀状が売られるシーズンになりました。
今年からは、もう、年賀状を出すこともできないんだな。
と、本気で寂しく思います。
DVシェルターから出るにはどうしたらいい?仕事や学校は変わらないとダメ?まとめ
DVシェルターから出るためには、住む場所の確保と、経済的な基盤の確保が必要です。
18歳未満の子どもさんがいれば、母子生活支援施設という選択肢もあります。
部屋を借りる場合は、役所の相談員が手伝ってくれる場合もあります。
お金がない場合は、すぐに生活保護の申請が必要です。
今までの仕事を続けたり、同じ学校へ通うのは難しいです。
シュエルターは、携帯も使えないし、親族にも連絡はできなしで、先のことが決まらないまま出てしまう人もいるようです。
でも、住む場所と経済的なことをしっかり決めてから出る方が、後々よいのではと思います。
おしまい
コメント