こんにちは、桃花です。
10月1日は、秋の衣替えの日ですね。
私の中学生時代は、今のような夏服と冬服の移行期がなくて、10月1日からは一律に冬服でした。
でも、10月って、まだ結構暑くて、みんな「こんなに暑いのに、なんで冬服なんだよ!」とブーブー言ってました。
今日は、衣替えの意味と歴史、どうして6月と10月なのか、制服の場合はどうして衣替えが必須なのかについて、まとめてみました。
衣替えの意味は?
衣替えの意味は、weblio辞書によると、
1.衣服を着かえること。着がえ。
2.季節に応じて衣服や調度をかえること。
3.建物や街路などの外装や内装を一新すること。
4.男女が互いに衣服を取りかえて共寝すること。
です。
今日のお話で取り上げる衣替えは2番目の意味になります。
それにしても、一口に衣替えと言っても、色々な意味があるんですね。
特に気になったのは、4番目の意味です。
今のような、敷き布団と掛け布団になったのは、まだごく最近のことです。
江戸時代までは、敷き布団のようなもの一枚を身体に巻きつけて寝ていたそうです。
マンガの「あさきゆめみし」を読んでいても、掛け布団がないんです。
代わりに、自分の衣類を掛けて寝ています。
そんな時代には、衣を取りかえての共寝なんてのもあったんでしょうね。
丁度の入れ替えも、簡単なことだとすだれをつけるとか、扇風機を出すとか、こたつを出すとかになります。
京都の町屋では、今でも、夏は夏用の障子やふすま、冬は冬用があり、ちゃんと大掛かりに変えてはります。
それぞれ、涼やかだったり、温かみが感じられたりで、いいものです。
狭い一般家庭ではそこまでは無理だけど、どこかに涼や温を取り入れると和むと思います。
衣替えの歴史は?
次に、衣替えの歴史について見ていきます。
平安時代
衣替えの習慣は、中国から伝わりました。
中国から伝わったものは、だいたい宮中で広まってから庶民に広まります。
衣替えも、同じです。
まず、中国のしきたりに従って、旧暦の4月1日と10月1日に夏服と冬服を変えると定めました。
この習慣を、「更衣」と呼びました。
天皇の着替えの役目を持つ女官のことも、更衣と呼んでいました。
更衣といえば、源氏物語の「桐壺の更衣」が思い浮かびます。
源氏のお母さんは、貴族としての地位はそんない高くはありませんでした。
そこで、身分の高い女御ではなく、更衣として入内しました。
で、身分が低いのに寵愛を受け、恨まれるんですね。
で、身分が低いから、逃げることも戦うこともできないまま亡くなってしまします。
天皇のそばに仕えるわけなので、本当に身分が低いわけではないのでしょうが、時の権力者の娘である女御と比べれば身分が低かったんでしょう。
ここでのポイントは、旧暦の4月1日と10月1日に衣替えをすることに決めたというところです。
今は、新暦の4月1日と10月1日に衣替えをしています。
時期的に、ちょっと違いがありますね。
江戸時代
江戸時代になると、衣類の種類が増えます。
そこで、幕府は、年4回の衣替えを制度化しました。
・袷(裏地付きの着物)の時期
旧暦の4月1日 – 5月4日、9月1日 – 9月8日
・帷子(裏地なしの単の着物)の時期
5月5日 – 8月末日
・綿入れ(表地と裏地の間に綿を入れた着物)の時期
9月9日 – 翌年3月末日
となります。
現在の着物の衣替えは、
・袷の時期
10月1日から5月31日
・単の時期
6月中と9月中
・夏物の時期
7月と8月
なので、全体的に江戸時代の方が暖かい格好をしていたようです。
綿入れの着物なんて、もう着ませんしね。
明治時代
明治時代になると、政府は、洋服を役人、軍人、警察官の制服と定め、夏服と冬服の衣替えの時期も決めました。
明治6年(1873年)1月1日より新暦(太陽暦)が使われることになり、
それに合わせて、夏服の期間を6月1日から9月30日まで、冬服の期間を10月1日から翌年の5月31日までとしました。
この習慣が、学校や官公庁へと広がり、一般家庭にも浸透したと言われています。
最初は旧暦で考えられていたはずが、明治になって、新暦に変わっています。
旧暦の10月1日は、新暦の11月頃になります。
夏服から冬服へ変わって、「なんか暑い!」と思うのは、当たり前かもしれませんね。
制服の衣替えはなぜしなければならないのか?
私の中学は、校則が非常に厳しく、スカート丈は常にチェックされていました。
だからなのか、制服の衣替えも、6月1日になったら夏服、10月1日になったら冬服と、きっちり決まっていました。
逆に、高校は非常に自由で、真冬でも夏服の先輩がいました。
これは両極端な例ですが、制服の衣替えは普通は絶対にするものです。
今は、移行期といって、大体1か月位は、夏服冬服どちらでもいい期間がある所も増えてきたようです。
では、なぜ、制服の衣替えは絶対にするものなんでしょうか。
それは、制服というものの性格によります。
制服は、それを着る人がみな同じ組織にいて、同じ職業や学校にいることを示すものです。
「同じ」であることが、とても重要なんです。
足並みが揃っていること、同じであること。
それが求められるのが制服なので、人と違うのは困るわけです。
困るのは、管理する人と、お客さんですね。
お客さんは、制服を着ている人が店員さんだとか、役所の人だと思っています。
服装が違う人が混ざっていると、混乱してしまいます。
管理する人も、服装が同じだと、「あれはうちの社員だ」、「うちの学生だ」とすぐにわかるので、楽なんです。
だから、同じであって欲しいわけです。
中学や高校で、制服があって、夏と冬の期間も決まられているのは、面倒くさいかもしれません。
が、大人のエゴに付き合ってやるかという寛大な気持ちで、制服を着てみてください。
衣替えの意味と歴史と制服の場合はなぜしなければならないのか?まとめ
衣替えには、4つの意味があります。
今回の説明では、「季節に応じて衣服や調度をかえること」を取り上げました。
歴史は、中国からの伝来によるもので、平安時代に宮中で広まり、それが武家、庶民へと広がっていきました。
制服は、「みんな同じ」であることが大切な服装なので、衣替えはしなければなりません。
そこは、ちょっと我慢かな。
おしまい
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