こんにちは、桃花です。
一昨年、ある大きな文具屋さんで万年筆のインクを試させてもらっていた時のことです。
パイロットのカクノ(税込1,080円)という万年筆を女子高生が買っていき、色々なインクを楽しんでいると聞きました。
カラフルなボールペンに飽き足らない女子高生がいるんですね。
私も、万年筆大好きです。
そこで、初めてちゃんとした万年筆を買うとしたらどうしたらいいのか、まとめてみました。
万年筆の魅力と構造と歴史は?
万年筆を使う人がよく言うのは、「字が上手く見える」です。
実際に、上手く書けます。
これ、本当なんですよ!
上手く書けるというと、いきなり字が上達するのかと誤解されると困ります。
癖字でも、味わいが生まれるんです。
私は、そんなに字は上手くありません。
シャープペンやボールペンで書いた字なんか、もう見るもあわれです。
が、万年筆で書いた字は、それなりに上手く見える。
理由は、万年筆を使うと、文字の線に強弱がついたり、インクの濃淡がつくことで味が出るからだと思います。
そして、なにより、慣れればこれほど書きよい筆記具はないと思います!
力がいらないので、握力が低いとか筆圧が低いという悩みのある方には、特に向いていると思います。
インクも、各社多数あり、本当はいけないんだけど、他のメーカーのインクも使えます。
だから、万年筆で使える色は本当に無限と言ってもいいくらい沢山あります。
万年筆は、毛細管現象を利用して書くことができています。
万年筆のインクタンクに細い管を通すことで、ペン先までインクを染み出せています。
不用意に振ると、インクが飛び出し大変なことになります。→経験者
万年筆の歴史は、
1.古代エジプト(紀元前2400年頃)の葦ペン。葦ペンの先は割れており、インクが貯められるように工夫されていました。
2.ポンペイ(西暦79年)に、青銅製のスタイラスペン(尖筆ペン)が発見されました。
これが、現存する最古の金属製ペンです。
3.ローマ(西暦85年)に、金属製のスタイラスペンが喧嘩の道具に使われたため、一般人の使用が禁止されました。
そして、代わりに、骨製や木製のスタイラスペンが登場しました。
4.西暦700年頃から18世紀まで。羽ペンが使われていました。
5.ペン先の登場(1780年)。イギリス人のサムエル・ハリスンが、鋼鉄板を筒状にし、合わせ目が切割の役目をするペン先を作りました。
6.万年筆(1809年)の登場。イギリスのフレデリック・B・フォルシュが、インクを貯められるペンを考案、特許を取得しました。
イギリスのブラマーも、軸内にインクを貯められる仕組みを考え、これに、「コンパウンド・フォウンテンペン(泉筆)」と名前を付けました。
となります。
日本では、1828年に、近江の鉄砲鍛冶職人の「一貫斎国友藤兵衛」が筆にインキタンクを備え付けた「懐中筆」を発明しました。
これが、日本初の万年筆です。
現在のような毛細管現象を利用した万年筆は、1884年にウォーターマン社が作成し、特許を取得しています。
万年筆という言葉は、、1885年に丸善のチラシに載ったのが最初です。
名前の由来は、泉筆=千筆で、千より万がいいだろうということで万年筆となった説。
当時、丸善の担当者が金沢万吉さんだったので、「万さんのペン」から万年筆となった説。
丸善が発行していた雑誌の編集長をしていた内田魯庵(ろあん)が「末長く使える筆」という意味を込めて名付けたという説。
があります。
万年筆の値段の違う理由は?
万年筆は、300円台から買えますし、高いものは1,000万円単位します!
違いは、素材によるところが大きいです。
まずペン先ですが、安いものは鉄でできています。
高いものは金でできていて、14金、21金などです。
また、ブランド力によっても値段が変わってきます。
書きこごちとは関係ないですが、デザイン性でも万年筆の値段は大きく変わります。
買う人はほとんどいませんが、軸がプラチナだったり、ダイヤがちりばめられていたりして超高級になっている意味がわからない万年筆があります。
買う理由が私にはわかりませんが、売れるから作られるんでしょうね。
どんな人が買わはるんやろうなぁ。
ある程度の値段の物を買えば、あとは、デザインや軸の素材の問題なので、書き心地はそう変わりません。
国産であれば、鉄製のペン先のものが3,000円台で、金製のペン先の良いものが定価1万円台で買えます。
万年筆は国産と外国産どっちがいいの?
私の最初の万年筆は、ドイツ製のモンブランです。
これは、夫(結婚前)が買ってくれた最初のプレゼントです。
彼自身がモンブランの万年筆を持っていたので、色違いのお揃いを買ってくれました。
しかし、実は書きづらいのです。
モンブランしか知らない時には、「万年筆って、こんなもんなんかな。書きづらいなぁ」って思ってました。
後に、自分で国産のものを買って使ってみたら、書きやすかったです。
モンブランは、アルファベットを書くには書きやすいです。
が、日本語を書くとなると、国産の方が書きよいと感じます。
実際、「日本語を書くには国産がよい」という話を聞き、国産を買ってみたわけです。
そして、その通りで、国産の万年筆は日本語を書くのにぴったりでした。
画数の多い漢字に対応できるように、細いペン先が豊富にそろっています。
しかし、雑誌を読んで、どうしてもモンブランを使ってみたい。
ペリカンの万年筆を使ってみたい。
と思う方も多いでしょう。
私も、モンブランは3本持っています。
モンブランを持っているから、国産を実用としてガシガシ使えるという面はあります。
万年筆の雑誌を見ると、かっこいいデザインのものが沢山載っています。
国産でもかっこいいデザインはあるんですが、なかなか雑誌には載りません。
生産数が少なく、雑誌に掲載できない場合もあると思います。
そこで、最初の万年筆をどう選ぶかです。
書き心地重視なら国産。
デザイン重視なら、予算の許す範囲内で好きなものを買う。
これにつきます。
答えなになってなくて、すみません。
万年筆は、ある意味で趣味の文具です。
ボールペンがない生活は結構大変そうですが、万年筆は無くても困りはしません。
あえて万年筆が欲しいという方は、こだわりをお持ちだと思うのです。
なので、「これ好き!」で購入するしかないと思います。
でも、いきなり何万円もするものを買うのは怖いですよね。
まずは、国産の定価1万円台のものから始めて、万年筆を使いこなせるようになってから高価な外国製を買っても遅くはないと思います。
高くてもこれが欲しいというものがあれば、引き留めません。
万年筆って、筆記具のくせに、ちょっとジュエリー的なところがあります。
腕時計も同じだと思います。
最初の1本が、パイロットのカクノだって、もちろんアリだと思います。
カクノは、定価1,000円でいいんですか?というクオリティーの高さを誇ります。
ペン先も、細字と中字があるので使い分けもしやすいですし、何よりかわいい。
万年筆を買ったら、一番大事なのは、日々使うことです。
使うことが一番のメンテナンスだと言われます。
だから、愛着のわくものを買われるのが一番です。
じっくり選んでくださいね。
戻りますが、日本語を書きやすいのは国産ですよ!
迷ったら、後々のメンテナンスのことも考えて国産を最初の1本にされるとよいと思います。
万年筆とは長い付き合いになります。
メンテナンスの費用も、国産だと安くすみます。
あとは、実際に店頭で試し書きをするのがポイントです。
できれば、普段使っているノートや、書こうと思っている紙を持っていくとよいです。
試し書き用の紙はすべりがいいので、どの万年筆で書いても書きよくて、あまり違いがよくわかりません。
また、罫線がないので、実際に自分が使う場面での文字の大きさよりも大きな文字で試してしまいがちです。
すると、ペン先の太さを選び間違えてしまいます。
なので、購入時には、必ず試し書きが必要です。
まとめ
万年筆を使って書くと、味わいのある文字が書けます。
色インクが、選び放題です。
今は1,000円程度でもクオリティーの高い万年筆を買うことができるので、ぜひ試してみて欲しいと思います。
慣れれば、その書きよさにはまると思いますよ。
おしまい
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